イエスを裏切ったユダは、自らいのちを絶ったと聖書は伝えている。
しかし、福音書と使徒行伝では異なった死に方を伝えている。
<それで、彼は銀貨を神殿に投げ込んで立ち去った。そして、外に出て行って、首をつった。(マタ27:5)>
<ところがこの男は、不正なことをして得た報酬で地所を手に入れたが、まっさかさまに落ち、からだは真二つに裂け、はらわたが全部飛び出してしまった。(使徒1:18)>
このように、マタイでは首を吊ったとあるし、使徒行伝では転落死のように伝えている。
最初、この二つの聖書箇所を読んだとき、矛盾しているように思えた。
しかし、あるとき、納得できる解釈を専門書の中に見つけた。
「ユダは崖の上で首を吊った。」
おそらくユダは、崖の上の木の上で首を吊り、息絶えた。
その後、何かの拍子に縄がほどけ(崖の上は風が強いからそれで縄がほどけたのか)、ユダの亡骸は崖の下の岩の上に落ち、体が真二つに裂けた。
マタイはこの一部始終の前半部分を伝え、使徒行伝が後半を伝えているのではないか。
こう考えると、二つの記事の矛盾は解消できる。